「女性の感性でモノ・コトデザイン」のコンセプトが生まれたきっかけ
有限会社ユース代表 植田由貴子です。
私には、3人の娘がいます。
長女を出産し、1年半後に次女が誕生しました。在宅で、子供を見ながら仕事をしていました。授乳、おむつ、泣いてはあやし寝かしては泣き・・・の繰り返し。
やっと子供を寝かしつけ、夜中から朝方にかけてが作業できる時間。眠気と戦いながら、無理やり頭を働かせ、それでも途中、夜泣きをしては手をとられ、デザインの締め切りがあるのに間に合わない。、、どんどん時間がすぎていく〜、焦る〜〜、そんな毎日の繰り返し。
結婚する前の私は、行きたいとこへはどこでも行く、やりたいことは何でもやる!自分のキャリアや成長のためには惜しむことなく冒険し、海外で働いたり、クリエイター活動をしたり、自分の思いのままに精力的に活動していました。
そんな価値観でいたので、自分が家庭をもつようになり、子供ができると自分の行動に制限がかかり、周りの活躍している仲間を輝かしく見え、私にだって、もっと活躍できる場があったのに、、世の中から置いてきぼりにされてる感覚。どんどん卑屈になっていく自分がいて、そんな自分に嫌気がさしていました。
もう、本当にしんどくて
ある日、夫に訴えました。
子供の服やおもちゃが散らかった部屋で、ただただ時間に追われてる。アイデアを生む余裕もなければ、感性も磨けない。クリエイティブな仕事なんてできるはずがない!!今のままじゃ、世界が狭まって自分がどんどん衰退していってしまう。
すると、夫の反応は
俺は、今の君だからこそ、できることがあるんじゃないの?って思う。出産も経験して、子育てをしている。そんな生活を体験しているからこそ気づけることもあるし、その中から生まれるアイデアだってある。それをデザインできるのが君なんじゃないかな?それってすごくラッキーなことだと思う。
すっかりいじけていた私は、それを聞いて目から鱗状態。な、な、なるほどー。確かに!
困る様子もなく、焦る様子でもなく、そして慰める様子でもなく、、、淡々と、そう言った夫の様子を見て、ただ私が気づいてなかっただけなんだ、と思いました。夫はだた思ったことを言っただけ。また、夫がそんな風に思っていたなんて、視点が変わればそんな解釈もあるのかと驚きました。
「ない」ことばかりに目を向けていたから、焦燥感で子供との時間をマイナスしか捉えていなかった自分。夫に言われたことで実は自分には、すでに「ある」という視点で観ることができ、そうなると、もっとたくさんの「ある」に気づけるようになったのです。
そういえば、外出した時に出会うママたちを見ていつも思っていた。
子供用の手提げバックや髪飾りをとっても上手に作っているママ、台所で使うキッチンツールを、日常的に使いやすくアレンジしているママ、
器用だね、上手だね、便利だね、ナイスアイデアだね!だけど、それだけで止まっているのはもったいない。
私だったら、デザインのスキルとキャリアを活かして、ママたちの社会や人々の生活に役立つであろうアイデアを形にして世に出すことができる。それができれば、私自身が子育てしながら感じていたように、社会からの疎外感を感じていたり、自分の存在価値を見出せずにただ家族の時間に追われ悶々と過ごしているママたちが、社会と繋がり、日々のモチベーションにもなって「ママ」という役割ではなく、一人の女性として認められ、活躍できるのではないか。
ちょうどそんな頃。とある方から、ご紹介がありました。
製造メーカーさんからのご相談で「子育て経験のあるデザイナーさんにお願いしたい」とのこと。
聞くと、女性向けの商品を開発しているのに、ボクら男にはアイデアや見せ方がようわからんねん・・とのこと。
同じようなことがが2、3件続いたんですよね。
そして思ったのは、「女性目線って、ニーズがあるんだ〜」ってこと。しかも、それを形にできる(デザイン)ってことが私たちの強みになるんだ、ってことを再認識しました。
そして、こうも思いました。
女性目線のニーズは、男性目線があって成り立つ。夫が私に言ったように、製造メーカーの担当者の方が言われたように、
男性にないからこそ、求められる。自分は女性なので、当たり前すぎて、その価値に気づいていませんでした。
自分の強みって自分ではわからないものですね。自分では当たり前にやってるけど、人から褒められることそれが強み。自分では当たり前にできてしまうことだから気付けないんです。
今、子育てに必死で、自分のことを後回しにしてしまったり、自分の存在価値について悩んでいるなら、家事の合間でもいい、少し自分を振り返ってみてほしいです。
自分では当たり前にやっているけど、人から褒められることって何ですか?
それを誰かの役に立てられるとしたら、それは誰ですか?
そんな視点で考えてみたら、自分には「すでにある」に気づくことができ、素晴らしい価値であることに気づけるはずです。
これが、「女性の感性でモノ・コトデザイン」のはじまりです。
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