伝統×未来 デザイン事例
幻の「茜色」を、現代にふたたび
日本アカネ再生機構 × 商品パッケージデザイン
日本の色彩文化を、現代に息づかせる挑戦
私たちはこのたび、一般社団法人日本アカネ再生機構様が手がける「日本茜」で染めた女性用レギンスの商品パッケージデザインを担当させていただきました。

プロジェクトの背景
かつて、奈良時代には禁色(きんじき)とされ、高貴な色とされた「日本茜(にほんあかね)」。
赤く美しい茜の根で染められる“緋色”は、日本でもっとも多く使われた染色といわれています。
初めて制定された日の丸の赤も、実は「日本茜」で染められたもの——
そんな歴史的背景があるにもかかわらず、現代ではその染色技法や赤根の入手困難さから、ほとんど姿を消してしまった “幻の色” となっています。
未来へとつなぐ「色の再生」プロジェクト
この幻の茜色を、もう一度現代に、そして未来へ繋ぎたい——そんな想いで活動されているのが、一般社団法人日本アカネ再生機構の杉本一郎さん。
私たちは、地元イベントでのご縁をきっかけに出会い、杉本さんの工房での染色体験を通じて、茜色の持つ深い世界観に触れました。
「幻の赤を現代に復活させたい」その姿勢に、強く心を打たれたのを覚えています。



大阪万博出展商品のデザイン開発
今回ご相談いただいたのは、大阪万博にて販売される“茜染めレギンス”のパッケージデザイン。
杉本さんはこう語られました:「最近、街ゆく女性たちの服が黒やグレーばかりで、少し寂しい。鮮やかなファッションであふれていたら街はもっと賑わうのでは」
その想いに共鳴し、私たちは「茜色の本質を、デザインでどう伝えるか」を徹底的に考えました。
「茜色」の奥行きを、色名で表現
杉本さんによれば、「茜色」とは単なる“赤”ではありません。夕焼け空のように、黄色、橙、赤、赤紫…とグラデーションのすべてが“茜色”。それを知ったとき、デザインの世界もまた、色の捉え方が変わる瞬間がありました。

そこで私たちは、レギンスのカラーバリエーションに「茜色の色名」そのものを採用。ひとつひとつの色に、“夕焼けの情景を想起させる日本語の色名” を名付けてご提案しました。




デザインが文化を後押しする力に
消えゆく伝統文化を、現代のライフスタイルの中にどう融合させるかという挑戦でもありました。
大阪万博はあくまでスタート地点。このレギンスが“茜色”の可能性を世に広げるきっかけとなり、未来の誰かがその色に触れ、文化を引き継ぐバトンとなることを祈ります。
想いのある商品には、想いのあるデザインを
- 伝統や技術を未来に伝えたい
- 商品の背景にあるストーリーをしっかりと表現したい
- 他にはない世界観を持ったプロダクトを育てたい
そんな想いをお持ちの方へ、私たちは伴走型のブランディングとデザインでお応えします。
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